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不器用な君の、

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不器用な君の、

魔法のiらんど文庫

  • 著:春川紗和
  • 発行元:KADOKAWA
  • 発売日:2015年7月25日
  • 定価(本体550円+税)
  • ISBN:978-4-04-865334-3

君の1番になれたらいいのに――。
第8回魔法のiらんど大賞〈大賞〉受賞!! みんなが泣いた、今年最高の片想いラブストーリー!

高2の小町は、容姿端麗で成績優秀「エース」と呼ばれる呉月くんに憧れていた。週番の放課後、小町しかいない教室に呉月くんが現れる。仕事を手伝ってくれた呉月くんと2人きりの時間――。「こまち、って、かわいい。和歌好きなの?」お互いの名前の由来が和歌にあるという、小さな共通点を見つけた小町の心は有頂天に。でも、その帰り道、呉月くんには大切にしている彼女がいるとわかって……。 憧れが恋に変わった瞬間、小町の切ない片想いがはじまった。

この恋はまるで、古人が詠んだ悲しい恋の歌に似ていて――。和歌の調べに重ねるように紡がれる「好き」って気持ちに、読む人みんなが大感動。今年最高の片想いラブストーリーがついに!

2015 魔法のiらんど大賞受賞作フェア

◆この物語の見どころ!!


君の1番になれたらいいのに──。

憧れの彼と、放課後2人きりの時間。
でも、呉月くんには大切にしている彼女がいるとわかって……。
憧れが恋に変わった瞬間、小町の切ない片想いがはじまった。
古の恋の歌の調べに重ねるように綴られる、
「好き」って気持ち──切ない片想いにみんなが大共感!

気になる中身をチラ見せ♥
2人の距離が縮まる放課後…♥

「こまち、って、すごく、かわいい」
そう言われた途端、まるでうつつではなく、夢の世界にいるような、そんな錯覚をして。
咄嗟に顔をあげれば、底のない黒の瞳に吸い込まれる。
自分でも分かるくらい、顔に熱が集まって。
「顔、赤いよ」
息を呑み、急に押し黙った私を見つめ返したエースは、大きな手を伸ばして、髪の毛をするり、撫ぜたあと、
「耳も真っ赤」
くすり、小さく笑って、ひんやりとした手で、私の耳に触れた。
名前のことだって分かってる。分かってるけど。
それでも、可愛い、と言われた瞬間に。
私の心の中の、乙女の部分が、きゅん、と音を立てて、刺激された気がした。
ドキドキ、では表せないほど、私の心臓は攻撃的な音を響かせる。先程刺激された、私の乙女な部分が、呉月くんのことも知りたがって。でも、これ以上近づくと、あの鋭い色気に刺し殺されてしまうのも分かってる。
「呉月くんの名前の由来は、何?」
それでも近づきたい、と思ってしまった私は、一歩を、踏み出した。
切ない片想いが加速して──。

はっ、と目を覚ました。
「…っ、夢…」
頬に熱が集まっている。
どうして、夢にまで、出てくるの…っ。
燃え続けるような胸の痛みを、私は持て余して、咄嗟に数日前に買った本へと手を伸ばした。
「っあ…!」
焦ったせいで手から滑り落ちた本は、床の上で、ある和歌のページを開いていた。
それはまるで、今の私にぴったりで。
―――大好きなあなたを恋しく思いながら寝てしまったから、あなたが夢に現れてくれたのかな。夢だと分かっていたなら、目を覚まさなかったのに…。
千年も前から、恋する気持ちは、変わらずに紡がれる。
エースが可愛いと言ってくれた、私の名前の由来でもある小野小町の恋の歌。
『こまち、って、すごく、かわいい』
そう言ったエースの声のトーンとか表情とか、その時の自分自身の胸の高鳴りすらも思い出して。
目覚めたことを後悔しながらも、私は頬に熱を集めたまま、幸せで、少し苦しい気持ちに浸っていた…。
一緒にいられる幸せの反面……。

もし、呉月くんと出逢わなければ、会えない時間に恋しく想ったり、呉月くんのことを考えて苦しくなったりすることもなかったかもしれない。
噂で聞いて勝手に胸を高鳴らせたり、それくらいでよかったのに。
最後の一発、豪華で大きな花火が夜空に咲いて、散った瞬間、夢のような時間も終わったような気がした。
私は、この時間が幸せすぎて夢だと思い込みたいのかな?
それとも、さっきの呉月くんの言葉を信じたくなくて、夢だと思い込みたいの?
自分のことなのに、自分の心がわからない。
この穴場にいた、数組のカップルも、ちらほらと帰りはじめて。
私たちもどちらからともなく、重い腰をあげた。
「終わった、な」
「ね、終わっちゃった」
「あっけないな」
「うん…」
呉月くんは、きっと、自分の気持ちと重ねて花火の儚さを憂いていて。
私はそんな呉月くんを見て、胸が張り裂けそうになった。
和歌で紡がれていく2人の恋愛模様に胸キュン!

◆登場人物紹介

◆切ない恋心に感動の声ぞくぞく!!

読んだみんなのコメント
和歌がとてもよいなと思いました!! 勉強にもなる(笑) すれ違ってる時よりラブラブな時の方が好きだなと、小町と志貴をみて思いました!!
題名通り不器用な2人の恋にキュンキュンしたり、切なくなったり、飽きるところがないです!!
文章全体的に透き通ってて、青春って感じがする。甘くてほろ苦い。
不器用な呉月君が青春感があふれててキュンとした! それにこの話に出てくる和歌を見て少しだけ興味を持ち始めた!
一途に人を思う気持ち。いろんな葛藤を持って、迷って…そして気づいた本当の気持ち。そんな気持ちを和歌を通じて伝え合う。ピュアな物語の好きな方!にはぜひ読んで頂きたい作品です。
不器用な2人を見ててこっちがあたふたしちゃいました笑。不器用だからこそ和歌で思いを伝えちゃうってゆうのがとてもロマンチックでよかったです! 付き合ってからはイケイケな呉月くんに照れてる小町ちゃんを見ててほんとにきゅんきゅんしました(。>ω<。)

著者メッセージ

読者の皆さま、はじめまして。
春川 紗和と申します。

『不器用な君の、』という作品で大賞を受賞できたこと、書籍化していただけること、まだ夢のようです。

この作品は、私の大好きな恋愛の和歌を登場させました。
和歌の意味を知ってきゅんとしたり、何百年の時を経ても、会えない時間さえも愛おしかったり、嫉妬をしたり、そういう”恋心”って変わらないんだなあ、とじーんとしていただけたら嬉しいです。

この度の書籍化にあたり、編集部の方々をはじめ、家族、友人にはたくさんの迷惑をおかけしました。
そして、読者の皆様には、感謝の気持ちを伝えきれません…! 皆様への胸いっぱいの感謝を忘れずに、これからも頑張っていきたいと思います!
本当にありがとうございました。

春川 紗和

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